2010年12月03日

水平社と西光万吉

幾度となく読み返してきた『水平社宣言』である。「水平社」に関する授業をどれほど繰り返してきただろう。同和教育・人権教育として,道徳・社会科の授業として教材化してきたことだろう。その度に,新たに出版された関連書や資料を探したり,読んでいなかった書物や論文,以前に読んだ資料などを読み返したりして構成や配付資料を作り直してきた。だが,一度として満足したことはなかった。授業後に何か物足りなさを感じてしまう。生徒の反応や感想に手応えを感じても,一抹の不安を覚えてしまう。

それほどに『水平社宣言』は心に重い。崇高すぎる理念,魂を揺さぶる感動が,読むたびに沸き起こってくる。心が共鳴して,身体の芯から燃え上がるものを体感する。


『至高の人 西光万吉』(宮橋國臣)を読んでいる。随分と以前に買って,一度は読んだはずだが,なぜか記憶に残っていない。書棚の「水平社」関連の中に埋もれてしまっていた。開いてみると,書き込みやラインが引いてある。教材ノートにも本文から引用してあった。にもかかわらず,私の記憶から抜け落ちていた。

改めて読みながら,その時の記憶が蘇ってくるのがわかる。そして,新たな発見と共感がある。

人生と同じで読書もまた,その時々で意味するものも異なってくる。本当に「無意味・無駄」であれば,このような感覚はないだろう。まして不快感しか残らなければ,経年後も同じである。これも人生における出会いと同じで,二度と関わりたくもない思いだけで忘却されることになる。
「忘却」すべきことは,その程度のことでしかない。


本書をじっくりと読みながら,今あらためて水平社と水平社創立に関わった人々について学んでいる。

本書の特徴は,徹底した「聞き取り」である。今は亡き人々から直接に多くの「証言」を得て,それを検証しながら水平社の歴史を明らかにしている。

posted by 藤田孝志 at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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